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Bd-homeのお家づくり


by bd-home
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器が育つ?

こんばんは、スタッフ海保です。

新年に入って新しく始めたのは、朝一番に自分のために美味しいお茶をいれること。

25年来のおつきあいの備前焼が、良いおともです。

先日、息子に

「そんな、茶渋のついたような湯呑で美味しいの?」

と聞かれましたが

気が付くと、購入した時には感じられなかった味わいが・・・。

色味はもっと鉄っぽさを感じる濃さだったのに

濃淡がやわらかくなった気がする。

手触りもなめらかになった気がする。


器が育つ?_e0149215_2316684.jpg



そういえば以前、伊賀焼の作家さんにこんなことを言われたことを思い出しました。


「器って、僕の手から離れてから
 驚くほど素敵に育っているときがあるんですよ。
 先日お邪魔したお客様のお家で、随分昔の作品を見ましたが
 使い込まれて何とも言えない風合いでした。」


「器が育つ?」

まだ、若かった私はそのイメージができませんでしたが

高校生の時、旅先で購入した湯呑を見て

育つとはこういうことなのか

と実感したのでした。



器は使ってみて良さを再認識することがありますね。

この湯呑はお茶を飲んだ時に

うまく鼻の頭が入り

口が少ししぼんでいるので

香りをダイレクトに感じられます。

コーヒーの香りを楽しみたい時も、この湯呑が一番です。

緑茶の色味や甘さを感じるには不向きですが

渋いお茶好みの私には最適です。

そして、この器は持った時の重心のあんばいがしっくりくるんですよね。

高校生ながら湯呑に3000円は高いと思いつつも

後から納得がいきました。



備前焼は釉薬(ゆうやく)を使わず焼かれ

土・灰・炎の自然な力が融合して、

偶然にできたものが色味やデザインになっていきます。

作意よりも、自然な力に任せているところが

また、いいですね。


素焼きな分、息子の言ったとおり茶渋も付きやすいですが

使い込むことによって育っていく器。

今年もよろしくです。
by bd-home | 2015-01-20 00:00 | スタッフ日記